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「視察」の意味とは?「視察」と「査察」「巡視」の違い・英語・類語

視察は、あまりいい意味では使われない言葉ですが、本来の意味に悪いニュアンスは全く含まれていません。

視察

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「視察」の意味とは?「視察」と「査察」「巡視」の違い・英語・類語>


目次

  • 「視察」の意味とは?
  • 「視察」の読み方?
  • 「視察」の英語(解釈)
  • 「視察」を「刺殺」と間違えた?西南戦争とは?
  • 「視察」の言葉の使い方
  • 「視察」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
  • 「視察」を使った例文や短文など(意味を解釈)
  • 「視察」の類語や類義表現
  • 「視察」と「査察」の違い
  • 「視察」と「巡視」の違い
  • 「視察」と「観察」の違い


「視察」の意味とは?

「視察」の意味とは?

視察とは、何かの状況の調査を行うことです。

その対象の情報を得ることが目的で、色々な対象に使われる言葉です。

例えば、「敵チームの視察を行う」と使った場合、その敵チームの状況の調査という意味になります。

その為に、どこかに行ったり、何かを行うといった必要になる行動なども含めて使う言葉です。



「視察」の読み方?

「視察」の読み方?

「視察」は、「しさつ」と読む言葉です。

特に難しい読み方はしないので、読み方に困ることはないでしょう。

この言葉に使われている漢字の「視」「視る」(みる)こと、「察」には「感じとる」という意味があり、それらも充分に「視察」という言葉としての意味に含まれています。

「視察」の英語(解釈)

「視察」の英語(解釈)

視察を英語で表現すると、“inspection”となります。

「視察する」と使いたい時には“inspect”として、“inspect enemy”で、「敵を視察する」となります。

“inspect”には「検査」「点検」という意味もあり、そちらで使われることも多い言葉です。

その為、英語から訳す時には、文章全体から「視察」と使っているかどうかの判断が求められます。



「視察」を「刺殺」と間違えた?西南戦争とは?

「視察」を「刺殺」と間違えた?西南戦争とは?

西南戦争と言えば、かつて西郷隆盛の命を明治政府が狙ったことがきっかけで起こった政府と鹿児島勢の争いですが、このきっかけは、最近の研究によって、実は間違いから始まったのではないかと言われています。

その内容とは、明治政府からの電報にあった西郷隆盛に対する「シサツ」は、「刺殺」ではなく「視察」のことで、殺害を示唆しているのではなかったのではないかというものです。

しかし、鹿児島勢が同音異義語の「刺殺」のことだと判断してしまい、その勘違いから起こった戦争だという研究結果です。

当時の電報はその特性から、カタカナしか送ることができませんでした。

本当にそうなのかは今となっては分かりませんが、面白い解釈なのは間違いないでしょう。

「視察」の言葉の使い方

「視察」の言葉の使い方

視察は、何かの状況を調べる為にどこかに行き、調査するという意味で使います。

そのどこかとは、近い場所の場合から、外国に行く場合にまで及びます。

大企業ともなると、頻繁に海外に「視察」に行っても何の不思議もありません。

そのような規模の大きなことから、学生が「隣りのクラスの様子を視察してくる」などという使い方までできる言葉です。

「視察」を使った言葉・慣用句や熟語・関連

「視察」を使った言葉・慣用句や熟語・関連

視察を使った言葉や表現の意味の解釈です。

どちらも「視察」の意味がそのまま使われています。

  • 「視察研修」
  • 「現場視察」

「視察研修」

この「視察研修」とは、何かを視察に行った際に、軽い研修も行ってくることです。

例えば、農業の視察研修で、実際の農家を視察して詳しく見学してくるのと同時に、農業体験もしてくるといった具合です。

「現場視察」

実際の現場を「視察」してくるという意味で使う表現です。

特定の現場を指して使う言葉で、「来週、子会社の現場視察に行く」といったような使われ方になります。

尚、大抵の場合、単なる「視察」ではなく、きちんとやっているかということを調べる為に行われます。

「視察」を使った例文や短文など(意味を解釈)

「視察」を使った例文や短文など(意味を解釈)

視察を使った例文や短文です。

この言葉の意味が分かれば、どのようなことをしているの簡単に分かるでしょう。

  • 「視察」を使った例文1
  • 「視察」を使った例文2

「視察」を使った例文1

「来週借りる予定の野球場を視察してきた」

次週に借りる予定になっている野球場の調査を行ってきたと言っています。

詳しいそこまでの行き方や近くの目印などから、ベンチやロッカーの様子などまでがその対象となりますが、どこまで調べたのかはこの文章だけでは分かりません。

「視察」を使った例文2

「この前視察に来ていたのは、本社の連中らしい」

全国チェーン店などの本社が各地の支店の「視察」を行うのは、特に珍しいことではありません。

しかし、その支店の人間にとってはプレッシャーになったり、それ自体を嫌がることも多いと言えるでしょう。

「視察」の類語や類義表現

「視察」の類語や類義表現

視察と似た意味の言葉や表現です。

似ている意味の言葉ですが、使えるシチュエーションが限られています。

  • 「偵察」【ていさつ】
  • 「ロケハン」【ろけはん】

「偵察」【ていさつ】

「相手の動きや様子などを探る」という意味の言葉です。

「視察」と似た意味ですが、主に相手が「敵」の場合に使われる点が異なります。

また、「こっそりと」というニュアンスも含まれており、これによって相手の弱点を探すといった場合に使われることが多いです。

「ロケハン」【ろけはん】

「映画やドラマなどの撮影の為の候補地を下見すること」に対して使います。

正確には「ロケーション・ハンティング」と言い(どちらも和製英語です)、条件に合った場所を探すという行為もこの一環に含まれます。

そのような場所の「視察」と考えていいでしょう。

「視察」と「査察」の違い

「視察」と「査察」の違い

「査察」(ささつ)とは、「状況を調べること」です。

「視察」との違いは、どのようなことになっているかと調べる行為を指す言葉なので、それ以外の意味には使えないという点です。

つまり、「あの場所を視察してくる」の置き換えには使うことができず、「あの場所で起こったことが査察対象だ」のような使い方になります。

「視察」と「巡視」の違い

「視察」と「巡視」の違い

この「巡視」(じゅんし)は、「自分の部下を周って調べること」という意味で使う言葉です。

その部下が各地に散らばっている場合に使われる表現で、それほど広い範囲ではない場合、一箇所に扱っているような時には「巡察」(じゅんさつ)の方を使います。

その為に全国各地に「視察」に行くことだと考えてください。

「視察」と「観察」の違い

「視察」と「観察」の違い

「観察」(かんさつ)は、「客観的に確認すること」です。

その対象を公平な目で見て、どのようなものか、どうなっているのかということの確認がこの言葉の意味となります。

「視察」と違う点は、どこかに行って行うだけでなく、目の前の対象にも使えるという点と、意図をもって「調べる」のではなく、あくまで「確認」だけだということです。

icon まとめ

視察は、色々な目的で使われる言葉ですが、その目的が何であろうと、対象の詳しい情報を入手することという意味は変わりません。

この点だけ覚えておけば、使い方を間違えたり、間違って解釈してしまうことはないでしょう。